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新風を吹かす負の英雄、トリックスター:日本神話、ギリシア神話、タロットカード、ユング

3.ギリシア神話のトリックスター

3-1.プロメテウス

ギリシア神話に登場する男神で、ティーターンの一柱。ゼウスの反対を押し切り、天界の火を盗んで人類に与えた存在として知られる。また人間を創造したとも言われる。

ヤン・コシエール「火を運ぶプロメテウス」
(1637) プラド美術館所蔵
出典:ウィキペディア

3-2.ヘルメス

ギリシア神話の神。オリュンポス十二神のひとりで,神々の使者をつとめるほか,牧畜,商業,盗人,旅人などの守護神。ローマ人からはメルクリウスMercurius(英語ではマーキュリーMercury)と同一視された。

ゼウスとマイアの子としてアルカディア地方のキュレネ山の洞穴で生まれ、誕生早々、ゆりかごを抜け出してアポロンの飼っていた牛の群れを盗み,足跡を消すために牛にわらじをはかせて洞穴へ連れ戻ったというエピソードが知られている。

どのトリックスターとも同じことだが、法や慣習の一定の限界から外れたところで活躍するのは、ヘルメスもそうである。私は彼の領域を「無人界」と名付けうるのではないかと考えた。そこは盗むことが可能な、確定した財産の境界のあいだにある、ヘルメス的中間領域である。

無節操なだけではやはりまだ「ヘルメス的」とはいえない。ヘルメス的であるためには精神と生の技術も必要である。

ヘルメスは限界をも問題にしない。それでいてヘルメスは無秩序の精神ではない。

カール・ケレーニイ「ギリシア神話とトリックスター」より
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