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心身症:こころがつくる、からだの病

症状の発現や症状の消失に、こころの問題の関与が大きい身体疾患は、「心身症」と呼ばれます。過敏性腸症候群、過敏性膀胱炎、胃潰瘍、神経性胃炎、神経性嘔吐症、狭心症、月経不順、高血圧、不整脈、緊張性頭痛、偏頭痛、慢性疼痛、関節リウマチ、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、じん麻疹、円形脱毛症・・・などなどの疾患は、こころとつながりを持っていることが多いとされるものですが、その場合、症状から見たそれぞれの診断名とは別に、原因から見て「心身症」というラベルが貼られます。

とはいえ、“本当に”こころと関連しているかを証明するのは難しく、たとえ関連しているとしても、“どのように”関連するのか、はっきり説明できるものでもないため、心身症と聞いても、わかったような、わからないような感じになってしまいます。はっきりしているのは、心身症は、精神疾患や、情緒障害があるということではなく、そのメカニズムは、誰にでも起こりがちな、こころのパターンだということです。

日常生活の中で、さまざまなストレスやプレッシャーを受けながら、わたしたちは、それに対処しています。その折に、意識的にはそれなりに対処しているつもりでも、無意識では抑圧が起きているということは少なくありません。

たとえば、老いた両親の介護をしているとき。親には恩を感じているし、できるだけのことをしてあげたい気持ちは本心です。一方で、自然にわき起こってくる不平や不満や怒りは、親孝行な自分のイメージに合わないので、心の奥深くに抑圧されます。それがたまって爆発しそうになったとき起こることは、その無意識のネガティブな感情を意識化することではなく、身体の不具合だったり、心の不安や抑うつ感だったりする、というのが精神分析の考え方です。

心身症になりやすい人の性格特性として、J.E.サーノは次のような特徴をあげています。

●完全主義:責任感が強く、まじめで心配性なのも含む。

●善良主義:いい人でありたい、人を喜ばせたい、人から好かれたい、人とぶつかりたくない。

●低い自尊心:心の奥底にある、無力感や自己不信感。

●自責心:自己批判的で、がんばりや。

完全を目指したり、善良であることは、社会生活や仕事上の出世には役立っても、その反動で、無意識が“怒っている”ことがあり、それを無視するのは、身体にとって危険なことでもあるのです。これらの性格特性に心あたりがある人は、無意識に抑圧している感情を解放することで、もしかすると、身体の不調が改善するかもしれません。

(2012年12月、ストックホルム日本人会、会報に掲載の内容)

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