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「笑ゥせぇるすまん」とトマスの福音書

「美女と笑うセールスマン」のブログを読んだ別のクライエントに、笑ゥせぇるすまんは、とーなん(わたしのこと)なのではないかと言われて苦笑した。


わたしの仕事はセールスマン。
ただのセールスマンじゃございません。
わたしの取り扱う品物はこころ。人間のこころでございます。

この世は男も女も、老いも若きもこころのさびしい人ばかり。
そんなみなさんの、こころのすきまをお埋めいたします。

笑ゥせぇるすまんの「ドーン」

「とーなん(分析家)=笑ゥせぇるすまん仮説」の”お客様”が注目したのは、笑ゥせぇるすまんの「ドーン」。

笑ゥせぇるすまんは、「お客様」の「ココロのスキマ」を埋めるためのサービスを提供し、それに伴う「約束事」を厳守するように促すが、約束を破ったり、欲張って更なるサービスを要求してきた、などの「お客様」に対しては「契約違反」とみなし、ペナルティとして人差し指で「お客様」に向かって指を差し、「ドーン!!!!」と叫び、破滅に追いやる。
(参考:ウィキペディア

「美女と笑うセールスマン」の例では、「あなたはご自分の美しい笑顔で私を裏切りましたねぇー。ドーン!!!!」だった。

”「とーなん=笑ゥせぇるすまん仮説」のお客様”は、さらにご本人の過去の体験を思い出してこう言う。

分析を通じて無意識と真正面から対決することは苦痛なものですが、以前、とーなんさんとのセッションで、私の無意識に対する取り組み方が甘いと、暗に指摘されたことがあります。今、思えば、とーなんさんから、「無意識との真正面からの取り組みを怠っていることは私との完全な契約違反。こんな状態をずっと続けていたら、そのうち、「ドーン!!!!」」をやりますぞ」と言われていたのかもしれません。その時のとーなんさんには喪黒福造に通じる凄みがありました。w

相当前の話で、記憶にない。しかし、分析家になって分析を頻繁に受ける義務がなくなってからは、自分の無意識にきちんと向き合っているとはいえない後ろめたさがずっとあるから、あえて”お客様”に向かって、偉そうにそんなことをほのめかしたのかもしれない。

トマスによる福音書

”お客様”の着眼点はとても興味深いが、実際に「ドーン!!」の審判を下すのは、分析家ではなく無意識である。

”お客様”からのコメントを読みながら、ユング派の分析家たちに時々引用されるトマスの福音書の一節を思い出して、「ドーン!!」と重なった。

あなたが あなたの中にあるものを引き出すならば
それはあなたを救うだあろう。
あなたの中にあるものを引き出さなければ、
それがあなたを破滅させるだろう。
(「トマスによる福音書より」)

「あなたの中にあるもの」は、無意識の領域にあるもの。自分で気づいていない自分。生きられていない自分。
「それ」に向き合い、意識の領域に引き出さないとき、「それ」はあなたを破滅させる。

「ココロのスキマ」を埋めるためには、自分の無意識の中にいる喪黒福造との「約束事」を厳守しなくてはならない。その約束とは、平たく言えば、真に自分らしく生きるということになる。

おまけのユング心理学

前に書いた「美女と笑うセールスマン」とこのページを合わせて読んでもらうと、三人がそれぞれの連想をしているのがわかる。

【女性クライアントの連想】
美女ー笑ゥせぇるすまん喪黒福造
     ↓
【男性クライアントの連想】
笑ゥせぇるすまん喪黒福造の「ドーン」ー 分析家
     ↓
【とーなんの連想】
笑ゥせぇるすまん喪黒福造の「ドーン」ー 「トマスによる福音書」

連想ゲームのような、こんな「ぱっとひらめく」思いつきは、無意識の断片に他ならず、ユング派の分析の中では大切にされる。ユングが、連想実験によって、無意識という得体のしれないあやしいものを科学的に論じたことも有名。

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